監 修

上田 弥生医師

日本産婦人科学会 産婦人科専門医
美容皮膚科医
NARD JAPAN認定 アロマ・アドバイザー 上田弥生 医師

シミの早期改善に!美白効果が高いハイドロキノン2種類と注意点

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ハイドロキノンでシミを早く改善できるのか、どんなシミに有効なのか知りたい方は多いかと思います。

ハイドロキノンは美白剤のなかで最も強い美白作用があり、シミの早期改善に役立ちます。

ここではハイドロキノンで美白できるシミ、ハイドロキノンの種類や市販と病院処方の違い、ハイドロキノンの美白作用を高める化粧品、使用中に注意したい生活習慣までを紹介します。

1. ハイドロキノンで美白できるシミの種類

ハイドロキノンは病院や美容クリニックでシミ治療に使われる美白効果が高い成分です。40代頃から加齢によって発生するシミや肝斑、紫外線や肌ダメージで発生するニキビ跡や黒ずみ、そばかすなど、シミの症状を薄くしたり改善する働きがあります。

シミは紫外線や刺激によるメラニン(肌の黒い色素)の増加が主な原因で、ハイドロキノンにはメラニンの抑制作用と、徐々に元の肌色に戻す『還元作用』があります。

【ハイドロキノンで改善が見込めるシミの種類と症状】

シミの種類 症状
日光黒子(老人性色素斑)

日光黒子(老人性色素斑)のシミがある女性の写真

紫外線を浴び続けるとあらわれやすいシミ。40代以降の方の顔、腕、手の甲などにできやすく、数ミリから数センチと様々な大きさがある。
炎症後色素沈着(黒ずみ・ニキビ跡など)

炎症後色素沈着(ニキビ跡・黒ずみ)のある女性の写真

ムダ毛処理や繰り返すニキビの刺激から主に現れるシミで、赤みから徐々に黒ずみやニキビ跡となる傾向にある。軽度の症状なら自然に治ることが多い。
肝斑(かんぱん)

肝斑のシミがある女性の写真

主に30~40代の女性の顔に左右対称で現れるシミ。肌のバリア機能低下が主な原因で、化粧とクレンジングを頻繁に行う人に多くみられる。
そばかす

両頬にそばかすがある女性の写真

主に遺伝または紫外線が原因のシミで、鼻を中心に茶色がかった小さな斑点となっているもの。妊娠時など女性ホルモンの変化で悪化することもあるが、年齢と共に薄くなったり、無くなることが多い。

 

2. シミの症状で市販と病院のハイドロキノンを選ぶとよい

市販品と病院処方のハイドロキノンの違いが分かるイラスト

ハイドロキノンには市販品と病院処方があり、主に『有効なシミの症状』に違いがあります。

市販のハイドロキノンは肌トラブルが起きにくい濃度(2%以下)が多く、特に軽度の炎症後色素沈着(黒ずみ・ニキビ跡)のケアに有効です。

病院のハイドロキノンは4~10%以内の濃度で処方することが多く、特に肝斑・日光黒子・炎症後色素沈着などメラニンが蓄積されやすいシミに有効です。

ただし、ハイドロキノンは4%以上の濃度になると赤みやかぶれ、かゆみが起こる可能性もあるため、高濃度の場合は医師の指示に従って使用するのが好ましいです。

3. 2種類のハイドロキノンの主な違いは使いやすさ

純ハイドロキノンと安定型ハイドロキノンの違いが分かるイラスト

ハイドロキノンは純ハイドロキノンと安定型ハイドロキノンの2種類に分かれ、『刺激性』と『使用期限の長さ』が違うことから安定型ハイドロキノンの方が使いやすいという特徴があります。

■純ハイドロキノンの特徴

同じ濃度の安定型ハイドロキノンがある場合、純ハイドロキノンのほうが純度が高く美白効果も期待できます。しかし、純ハイドロキノンは熱・光・空気で酸化しやすく、変色すると美白効果がなくなったり肌刺激につながることもあります。そのため冷蔵保存を行いますが開封後は1~2ヵ月では使い切る必要があります。

安定型ハイドロキノンの特徴

安定型ハイドロキノンは純ハイドロキノンにほか成分を配合したもので、純度は半分以下になりますが開封後の使用期限が半年から1年で低刺激性のものが多いです。

安定型ハイドロキノンは水と油になじむ乳化剤(界面活性剤)の配合で肌への浸透性が高まっており酸化も起きにくくなっています。ほか刺激性を抑えるための保湿成分や、美白効果を高める美白剤も配合されています。

ただし、安定型ハイドロキノンの1%あたりの純度は0.5%未満になるため『安定型ハイドロキノン5%配合』と表示されていても濃度は2%ほどになります。

補足
病院処方の安定型ハイドロキノンは独自で調合することもあるため開封後の使用期限は1~2ヵ月となる場合もあります。

 

4. 軽度のシミにおすすめできる市販のハイドロキノンクリーム

市販のハイドロキノンクリームの特徴を説明する皮膚科医

軽度のシミ(黒ずみ・ニキビ跡など)なら市販のハイドロキノンでも改善が期待できますが、特にクリームタイプがおすすめです。

ハイドロキノンクリームは肌への伸びがよく、綿棒で狭い範囲のシミも塗ることができるためシミの大きさに合わせて使えます。なかには顔全体に塗れるタイプや、普段使いしやすいUVケアのタイプもあります。

市販のハイドロキノンクリームの価格はほか成分の配合や量によって変わり、ドラッグストアや百貨店、通販で¥1,300~20,000ほどで販売されています。

市販のハイドロキノンには部分的に使用できる高濃度の美容液もありますが、慎重な取扱いが必要となるため普段の美白ケアとしては強くおすすめできません。

敏感肌や乾燥肌の方はパッチテストで使用するか決める

敏感肌や乾燥肌の方はハイドロキノンのパッチテストで肌に異常がなければ使用が可能です。

パッチテストでは絆創膏などにハイドロキノンクリームを少量塗って、あまり目立たない二の腕などに貼り、24時間以内に赤みやヒリヒリ感などの肌刺激がないかを確認して下さい。

補足
ハイドロキノンの使用で部分的に白くなる白斑を心配される方もいらっしゃいますが、それは尋常性白斑の治療で使われる『ハイドロキノンモノベンジルエーテル』の長期使用が主な原因となっています。ハイドロキノンとは違う成分で化粧品への配合は禁止されているので特に心配はいりません。

 

5. 濃いシミには病院処方のハイドロキノンが確実

病院処方のハイドロキノンクリームの特徴を説明する皮膚科医

病院処方の高濃度のハイドロキノンは、特に濃いシミ(肝斑・日光黒子・炎症後色素沈着)の治療に向いています。

病院処方のハイドロキノンはクリーム・軟膏・美容液がありますが、より早くシミを改善をするために、トレチノインクリームも併用することが多いです。トレチノインクリームは古い角質を強制的に剥がし、肌の生まれ変わりを早く促すためシミ改善までの期間が早まります。

■ハイドロキノンとトレチノイン併用療法の美白効果 

ハイドロキノンとトレチノインの併用療法では、薄いシミなら約2週間~1ヵ月、茶色がかったシミなら約2ヶ月、こげ茶色など濃いシミは約3ヶ月以上の継続で効果が実感しやすくなっています。

皮膚科や美容クリニックではハイドロキノンやトレチノインの処方は保険適用外とされ、主に5g¥2,000~7000(濃度4~5%)、トレチノンは5g¥7000~8000(濃度0.05%~1%)となっています。初診料やカウンセリング料は別途の場合もあるので事前の問い合わせで確認しておくとよいです。

併用中の副作用

トレチノインは肌の生まれ変わりが通常4週間となっているものを約2週間に早める作用があり、その副作用で皮膚がポロポロとむけたり赤みやかゆみが出るようになりますが、治療を続けることで自然と症状は治まります。

診察内容

医師はハイドロキノンが使用できるかの判断と使用後の経過を確認して、なるべく刺激を抑えながらシミ改善を図っていきます。診察では医師がシミの状態が確認しやすいよう化粧を行っていない状態にして下さい。

個人輸入での使用は避ける

個人輸入で高濃度のハイドロキノンやトレチノインを入手する方もいらっしゃいますが、専門知識がないと適切な濃度や使用頻度を判断するのは難しく、適切に使用しなければ赤みやかぶれ、痛みなどが続いたり、逆にシミや白斑になる可能性があります。

高濃度のハイドロキノンやトレチノインを併用する場合は医師の指示のもとで使用し、経過も確認してもらうのが好ましいです。

補足
ハイドロキノンの併用療法では、美白効果のある塗り薬や飲み薬、弱い電流で美白成分を浸透させるイオン導入、シミを根本から消す光治療やレーザーを勧めることもあります。

 

6. ハイドロキノンと併用することで美白作用が高められる化粧品

ビタミンC誘導体を含む化粧品はメラニン抑制や排出、還元作用があることからハイドロキノンとの併用に向いています。

特にAPPS(パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na)を含むビタミンC誘導体は肌の水分と皮脂に溶け込むため浸透性が高く、成分が長時間留まってシミを薄くする働きがあります。また、より効果を高めるAPPSを含むビタミンC誘導体は、肌表面で蒸発しやすい化粧水よりクリームタイプのほうがおすすめです。

このほか、すべての化粧品は肌トラブルが起こらない範囲の成分配合となっているので、市販や病院処方のハイドロキノンと併用できないものは特にありませんが、なるべく肌負担がないよう着色料やアルコールなどの添加物が含まれていない製品を選ぶようにして下さい。

ハイドロキノンの上からこれら化粧品を重ね塗りするとよいですが、シミ以外にハイドロキノンが広がらないように注意して塗りましょう。

7. ハイドロキノン使用中に注意する生活習慣 

ハイドロキノン使用中に気をつける生活習慣

ハイドロキノン使用中は一時的に肌のバリア機能が低下し、外からの刺激を受けやすい状態にあるので普段から注意して過ごすことが大切です。

紫外線対策を必ず行う

ハイドロキノンを使用して日中に外出する場合は、仕上げに日焼け止めを必ず塗って下さい。

日焼け止めはしっかり紫外線カットができるSPF50、PA++以上で、肌負担の少ない紫外線吸収剤フリー(ノンケミカル)のタイプがおすすめです。

日傘やツバが長い帽子なども使い、なるべく紫外線を避けるようにましょう。

使用部位の刺激を避ける

顔のシミにハイドロキノンを使用中なら、洗顔やスキンケアで強くこすらず、優しいチカラ加減で済ませて下さい。

また、ファンーデションは天然成分だけで作られるミネラルファンデや、うまくシミを隠しながらメイクできるカバーマークなどの化粧品が刺激を避けるのに適しています。

手の甲のシミにハイドロキノンを使用しているときは手洗いでは必要以上にこすらず、皿洗いなどの水仕事は洗剤がつかないよう手袋を使うのもよいです。

ただし、手袋の長時間使用は熱がこもりハイドロキノンの効果が得られなくなる可能性もあるので、時々はずしたりしてなるべく通気性が良い状態にして下さい。

このほか脱毛サロンの光脱毛や医療レーザーを行う場合は、施術前後の1週間はハイドロキノンの使用を避けたほうがよいです。

経口避妊薬(ピル)や抗てんかん薬の服用を避ける

ハイドロキノン使用中にこれらの薬を服用すると、肝斑が発症したり悪化することがあるので控える必要があります。

 

まとめ

ハイドロキノンは純ハイドロキノンと安定型ハイドロキノンに分かれ、肌トラブルが起きにくい濃度の市販品と、高濃度を取り扱う病院処方があります。

市販のハイドロキノンは軽度の黒ずみやニキビ跡のケアに向いています。

濃いシミまたは肝斑・日光黒子・炎症後色素沈着などは多くの病院が行っているハイドロキノンとトレチノインの併用治療が効果的で、医師の判断でほか治療法を勧めることもあります。

このほか、ハイドロキノンの美白作用を高める化粧品にはAPPSを含むビタミンC誘導体もあります。

ハイドロキノン使用中は徹底して紫外線対策を行い、スキンケアや普段の生活でも使用箇所に刺激を与えないよう配慮して下さい。

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