メイクをしっかり落とすためのクレンジングは、今ではたくさんの種類が店頭に並んでいます。「肌に優しいのはどれ?」「自分に合うのはどれ?」「正しい使い方は?」などと思っている方も多いのではないでしょうか。
顔の汚れは皮脂量やメイクの濃さ・密着力によって洗浄のしにくさが異なり、これらは洗い残しがおこると肌荒れの原因になるので、適切な種類を選んでしっかりとクレンジングをすることが大切です。
今回は、クレンジングの目的や種類別の洗浄力・肌ダメージの比較、選び方・使用方法をまとめさせていただきましたので、クレンジング選びの参考にして頂けると幸いです。
このページの目次
1.クレンジングは汚れでおこる肌荒れに有効

クレンジングは、肌荒れの原因である肌にこびりついた油汚れを落とせる洗浄力をもつ化粧品です。
肌にこびりつきやすい汚れには、空気中のゴミに汗や皮脂が混ざったもの・汗や皮脂でおちないメイク・水をはじく日焼け止めなどがあり、これらは水や洗顔料では落としきれない油分を多く含むためクレンジングの洗浄力が必要となります。
さらに油の多い汚れは時間がたつと、肌のハリや潤いを保つ力を弱める老化をおこす過酸化脂質(かさんかししつ)へ変化するので、美肌を目指す方にクレンジングは欠かせない肌ケアです。
■クレンジングの主な成分と役割
クレンジングのベースとなる成分は、水溶性成分、界面活性剤・油性成分の3つです。それぞれの配合バランスでクレンジングの洗浄力や保湿力、テクスチャー(感触や質感)が変わります。

油と油はなじみやすいので、油性成分はメイクの油分となじんで浮かせる役割があります。オイルタイプは油性成分が多いので、洗浄力が高いです。ナチュラルメイク(薄いメイク)の方が使用すると、肌に必要な皮脂まで洗い流してしまう可能性があります。
水溶性成分には、肌の潤いを保つ作用や肌を柔らかくする作用などがあります。ミルクタイプやローションタイプは水溶性成分が多めに配合されています。水溶性成分が多いクレンジングは油分が少ないので、メイクを落とすために界面活性剤の配合が多くなります。
界面活性剤は油分と水分を混ぜる役割があります。クレンジングをして、水を付けたら白く濁るのは乳化(にゅうか)作用で、油分を洗い流しやすくします。洗浄作用もあるので、界面活性剤の配合が多いと洗浄力が高く肌に負担がかかります。
2.クレンジングの種類と洗浄力
クレンジングの洗浄力は、落としたい汚れの度合いにより種類を替える必要があります。
洗浄力の高いクレンジングはメイクもきれいに落として洗いあがりもサッパリしますが、肌に必要な皮脂や水分まで洗い流してしまうと肌への負担が大きくなってしまいます。
洗浄力の弱いクレンジングは肌への負担は少ない事がメリットですが、メイクが落せず肌に残っていると肌トラブルにつながる可能性があります。
今回は、洗浄力の高い順に並べてみましたので、肌ダメージや洗いあがりなども含めて参考にしてみてください。
■ポイントメイク用クレンジング
肌ダメージ★★★★★
おすすめ
☑ウォータープルーフマスカラ ☑アイメイク(ラメなど落ちにくいもの) ☑落ちない口紅
ポイントメイク用クレンジングは、ウォータープルーフのマスカラやアイライナー、落ちにくい口紅などを落とすため洗浄力は高いアイテムです。コットンに染み込ませて拭き取るタイプや、まつげに塗ってなじませるタイプがあります。洗浄力が高いのでメイクの濃い目元・口元のメイクオフに使用してください。
※お湯で落とせると記載のあるマスカラは、温度に反応してマスカラが落ちるのでリムーバーを使用すると肌やまつ毛に余計な負担がかかります。
■オイルタイプ
肌ダメージ★★★★★
洗いあがり:サッパリ
おすすめ
☑ウォータープルーフタイプの化粧品 ☑濃いメイク ☑ポイントメイク ☑普通肌 ☑混合肌 ☑脂性肌
オイルタイプは油分と界面活性剤が多く配合されているので、濃いメイクもしっかり浮かせて落とします。洗浄力が高いので、ナチュラルメイクや日焼け止めだけの日に使用すると肌に必要な皮脂や潤いまで洗い流してしまい、乾燥や肌荒れの原因になる可能性もあります。ココナッツオイルやマカダミアナッツ油など植物性のオイルは肌の潤いを守りながら洗うので肌へのダメージが少ないです。
■バームタイプ
肌ダメージ★☆☆☆☆
洗いあがり:しっとり
おすすめ
☑濃いメイク ☑ポイントメイク ☑ナチュラルメイク ☑乾燥肌 ☑普通肌 ☑混合肌 ☑脂性肌
バームタイプはオイルを固形化したもので、比較的新しいタイプのクレンジングです。手のひらで温めて溶かして使用します。美容成分・保湿成分がたっぷり配合されているものが多いので、洗浄力は高く肌には優しいというのが特徴です。洗いあがりは肌がしっとりします。
■リキッドタイプ(ローションタイプ)
肌ダメージ★★★★★
洗いあがり:サッパリ
おすすめ
☑ウォータープルーフタイプの化粧品 ☑濃いメイク ☑ポイントメイク ☑ナチュラルメイク ☑マツエク ☑乾燥肌 ☑普通肌
リキッドタイプは油分が少なくサラッとしたテクスチャーです。油性成分が少ない分、メイクを落とすために界面活性剤が多く配合されているので、洗浄力は高めです。油分が少なく洗いあがりがサッパリしているので、ニキビができやすい方や脂性肌の方に人気です。
■ジェルタイプ
肌ダメージ★★☆☆☆~★★★★☆
洗いあがり:サッパリ~しっとり
おすすめ
☑濃いメイク ☑ポイントメイク ☑ナチュラルメイク ☑マツエク ☑乾燥肌 ☑普通肌 ☑混合肌 ☑脂性肌
※商品の幅が広いので初心者にはおすすめしません。
ジェルタイプは弾力をつけることで肌への刺激を少なくしたものです。油分の多いオイルクレンジングをジェル化したものは洗浄力・肌刺激ともに高く、水性のジェルタイプは洗浄力・肌ダメージが低めです。オイルフリーのタイプもあるので、マツエクをしている方にはおすすめです。
■クリームタイプ
肌ダメージ★★★☆☆
洗いあがり:しっとり
おすすめ
☑ナチュラルメイク ☑日焼け止めのみ ☑マツエク ☑乾燥肌 ☑普通肌 ☑混合肌
クリームタイプは界面活性剤・油分・水分のバランスが良いので、肌負担が少なくメイクを落とせます。マッサージクリームとして使用できるものもあり、洗いあがりもしっとりしているのが特徴です。オイルタイプを使っていた方が使うと、ぬるぬるして洗い残しがあるように感じることもあります。
■ミルクタイプ
肌ダメージ★★☆☆☆
洗いあがり:しっとり
おすすめ
☑ナチュラルメイク ☑日焼け止めのみ ☑マツエク ☑乾燥肌 ☑普通肌 ☑混合肌☑脂性肌
ミルクタイプはクレンジングの中で最も洗浄成分が少ないので、肌に優しいクレンジングです。日焼け止めクリームだけの時や、ナチュラルメイクの時はミルクタイプがオススメです。
■シートタイプ
肌ダメージ ★★★★★
シートタイプは、油分は含まれず界面活性剤が多く配合されているので肌負担が大きいです。手軽にメイクを落とせる反面、肌への負担は大きいので美肌を目指す方にはオススメしません。どうしても使用する場合は、シートで肌を擦らないように気を付けてください。
3.クレンジングの選び方~メイク別・肌質別~
クレンジングは洗浄力の影響でおこる肌荒れをなくすためにも、その日のメイク量や肌質に合わせて選ぶことをおすすめします。
■メイク別クレンジングの選び方
クレンジングを肌の汚れ具合でかえることで、洗浄力で奪われやすい潤いを守り、肌荒れをおこすことなく洗い上げることができます。
ばっちりメイクに洗浄力の弱いクレンジングを使用すると汚れが残りやすく、日焼け止めだけの日に洗浄力の高いクレンジングを使用すると、肌に必要な皮脂まで洗い流されて、肌荒れの原因になります。
・日焼け止めからベースメイク、ポイントメイクまでばっちりメイクの日
☑ポイントメイク用クレンジング
☑オイルタイプ
☑リキッドタイプ
☑バームタイプ
・目元・口元だけしっかりメイクしている日
☑ポイントメイク用クレンジング
+
☑バームタイプ
☑クリームタイプ
☑ミルクタイプ
・ナチュラルメイク、BBクリームや日焼け止めクリームだけの日
☑バームタイプ
☑クリームタイプ
☑ミルクタイプ
・お湯で落とせるタイプの日焼け止めクリームだけの日
☑クレンジングは不要で、洗顔のみおこなってください。
・マツエクをしている日
☑ジェルタイプ(オイルフリー)
☑リキッドタイプ
※マツエクの接着剤は油分に弱いのでオイルフリーが好ましいです。又は「マツエクOK」の記載があるものを選んでください。
■肌質別クレンジングの選び方
クレンジングは油分を洗い流すので、肌質に合わせて選ぶことが大切です。脂性肌の方は油分が少ないリキッドタイプやジェルタイプのものが洗いあがりがサッパリします。乾燥肌のかたは、肌の潤いを守るために油分が多めのクリームタイプが好ましいです。
・脂性肌
脂性肌の方は、皮脂が過剰に分泌している状態なので、油分が少なく洗いあがりがサッパリしているものが好ましいです。
おすすめリキッドタイプ・ジェルタイプ(水性)・バームタイプ
・乾燥肌
乾燥肌の方は、肌の水分・油分が不足している状態なので、洗浄力が弱く保湿成分が多いクレンジングが好ましいです。
おすすめオイルタイプ(植物オイル)・バームタイプ・クリームタイプ・ミルクタイプ・ジェルタイプ(油性)
・混合肌
混合肌の方は、Tゾーンの皮脂は多めで、Uゾーンは乾燥しがちな状態です。洗浄力もあり肌の潤いをまもるクレンジングが好ましいです。
・普通肌
普通肌の方はその日のメイクに合わせて洗浄力の異なるクレンジングを使い分けることで、肌負担をおこすことなく汚れをしっかり落として、美肌を保つことができます。
4.クレンジングの種類別・使用方法
最近のクレンジングは、塗れた手でもOK、ダブル洗顔不要、泡で出てくるなど様々な進化をしていますが、ここでは基本的なクレンジング方法をご紹介いたします。
クレンジングの種類を問わず乾いた手でおこない、クレンジング後は洗顔と保湿ケアをおこなってください。細かい使用方法・注意点などは各商品のパッケージをチェックしてください。
5.クレンジングの洗浄力に関するまとめ
クレンジングは、洗顔やお湯では落とせないメイクや日焼け止めクリームなどの汚れを洗い流すことで肌荒れをおこさないケアをすることができます。
クレンジングの洗浄力は、肌の汚れを落とす力と肌の潤いを守る力を汚れ具合によってバランスよく使える種類を選ぶことをおすすめします。
ベースメイクやポイントメイクの濃さを目安に、しっかりメイクの日はオイルやリキッドなど洗浄力の高いものを、ナチュラルメイクや日焼け止めだけの方は、肌負担の少ないバームタイプ・ミルクタイプの種類が向いています。
クレンジングはテクスチャーによって肌への摩擦が違うので、それぞれの使用方法を参考にしてください。
今回の記事で、どれにしようか悩んでいたクレンジング選びの参考になれば幸いです。