座り仕事の方や受験勉強で長時間座ることが多いとどうしても気になってしまうお尻の床ずれや黒ずみ。習慣として座ることが多いと、どうやって対策をすればいいのか分からないという方は多いのではないでしょうか。
座りっぱなしによるお尻の肌トラブルは、「クッションの活用」「保湿」「座り姿勢の改善」「立つ」の4つの対策で解消することができます。
今回は、座り仕事でお尻の肌トラブルが増える理由から、効果的な対策方法、そして、床ずれ(皮膚が腐る)の本当に意味までご紹介いたします。
このページの目次
1、座り仕事はお尻のかぶれ・黒ずみ・床ずれになりやすい
長時間座ることの多い「デスクワーカー」や「長距離運転手」「受験生」の方は、お尻に大きな負荷を与えている為、お尻の『かぶれ』『黒ずみ』になりやすく、酷くなると『床ずれ』を起こすと言われています。
座っている時はお尻に全体重がのしかかるため、肌への圧迫感や摩擦が非常に大きく、座っている時間が長くなるほどお尻への負担は倍増していきます。
特に痩せ型の方は、骨がイスに直接当たるため「お尻が痛い」と感じる方も多いです。
また、長時間イスと接することで、汗の蒸発が妨げられ「蒸れやすく」なり、肌がふやけて脆くなるため、少しお尻を動かすだけでも強い摩擦がかかり、「かぶれ」や「炎症」を起こしてしまいます。
酷いとお尻の皮がめくれ、痛くて座ることができなくなる方もいらっしゃいます。
特に生理中は、余計蒸れるためお尻を含めるデリケートゾーンが不衛生になりやすい傾向にあります。その時に、かぶれや炎症を起こしてしまうと、そこから菌が入り込み、皮膚が壊死(床ずれ)することもあると言われています。
実際に、皮膚が壊死(床ずれ)するほど症状が悪化することは極めて稀ですが、長時間の座りっぱなしによるお尻への負担は想像以上に大きいです。
【豆知識!】 そのため、皮膚の壊死(損傷)が進んでいない肌トラブルは床ずれとは呼びません。 外部参考ページ:NPO法人創傷治癒センター 褥瘡について |
また、炎症やかぶれが起きると、炎症を抑える働きのある黒い色素(メラニン色素)の生成が促されるため、お尻にアザのような黒ずみができます。
そのため、座り仕事の方や受験生などの長時間座ることの多い方は、黒ずみやかぶれなどのお尻の肌トラブルがとても多くなります。
しかし、正しい座り方と適切なケアで様々な肌トラブルは防ぐことは十分に可能です。次より詳しくご紹介します。
2、座り仕事でもきれいなお尻になれる3つの対策とケア
座り仕事でもきれいなお尻になるには「クッションを敷く」「座り方を正す」「適度に動く」などのお尻の圧迫感・蒸れの緩和に繋がる3つの対策と「毎日の保湿ケア」がとても大切です。
座り仕事によってお尻が汚くなってしまう主な原因は以下の4つです。
☑2時間以上立ちあがることなく座り続ける
☑座り姿勢が悪い
⇒座る位置が徐々にズレることがある・猫背など
☑座っている部分が固い(イスが固い)
☑保湿ケアをしていない
上記のチェックに一つでも当てはまると、お尻の「黒ずみ」「かぶれ」「ぶつぶつ」などの肌トラブルを起こしやすいです。
少し座り方を意識するだけでこれらは予防・解消できますので、次の対策をぜひ試してみてください。
対策1:弾力性の高いクッションでお尻の圧迫を軽減させる
お尻の肌トラブルの大きな原因は、皮膚の圧迫です。そのため、イスに「弾力性の高いクッション」を敷いてお尻の圧迫を緩和させることが大切です。
木製のイスや座布団など座る部分が固いイスは、通常よりもお尻への負担がとても大きくなります。
そのため、「エアークッション」や「高反発クッション」のように弾力性の高いクッションを敷くことでお尻の圧迫感の緩和され、黒ずみ・かぶれ・痛みなどが改善されます。
「ビーズタイプ」や「固いスポンジタイプ(低反発など)」「綿」「羽毛」などで作られているクッションは、使い続けていくうちにぺちゃんこになり、クッションの意味をなくしてしまうためおススメできません。
対策2:座る時はお尻をグイッと上げる
長時間座っていると「痛くなる」「痺れてくる」という方は、座り方が悪い可能性が高いため、「お尻をグッと上げて座ってみる」と良いです。
お尻と太股の境目部分が平らになるように座ると、血流が圧迫されずに、痛みや圧迫感の緩和に繋がります。
座っていると人は無意識にお尻の中心に体重をかける傾向にあります。一点に体重が集中するとそこだけ刺激が多くなるため「痛み」も「肌トラブル」も多くなります。
そのため、イスに座る時に、骨盤で立つようにお尻をグイッと上げて座ることで、お尻だけに集中していた体重が、太ももにも分散し圧迫感が和らぎます。
対策3:1~2時間おきに立ち上がって血流を促す
クッションを敷いたり、座り方を正しても、長時間座ることはお尻に相当な負荷を与えているため、「1~2時間」最低でも「3時間に1回」は立ち上がるようにしましょう。
お尻が汚くなってしまう大きな原因は「長時間座りっぱなし」のため、トイレ・たばこ休憩をとったり、飲み物を取りに行ったりとできるだけ座りっぱなしにならないようにし、血流を促すことが大切です。
もし、長距離運転などで立つことが難しいのであれば、信号待ちなどで軽くお尻を浮かしたり、適度にコンビニやサービスエリアに寄るようにしてください。
■毎日二回の保湿はお尻の肌トラブルの改善・予防に繋がる
保湿ケアは、症状の改善や予防にも役立ち、徐々にキレイなお尻へと導くため「毎日2回(朝と入浴後)の保湿ケア」をすることが大切です。
保湿剤は、肌刺激が少なく高い保湿力がある「セラミド」や「ヒアルロン酸」「コラーゲン」が含まれていものがよく、色素沈着が進み黒ずみが悪化している方は、「トラネキサム酸」や「ビタミンC誘導体」といった美白成分が含まれていると、改善効果が期待できます。
お尻の黒ずみ・ざらつきが気になる方は、以下のページにケア方法や治療方法を掲載しておりますので、ご参考にして頂ければと思います。
3、お尻の皮膚がめくれて痛い方は「デリケートゾーン用の軟膏」が有効
お尻の粘膜部分は、皮膚が薄くデリケートな部分の為、一般的な軟膏(オロナインなど)を使用した場合、赤く炎症を起こしたりヒリヒリするような痛みが生じるなど「膣炎」のリスクがあります。
その為、座り続けたことで、皮膚がめくれるほど「重度のかぶれ」や「炎症」を起こしてしまった方は、「デリケートゾーン用の軟膏」を使用すると良いです。
デリケートゾーン用の軟膏は、小林製薬さん(フェミニーナ軟膏)や、新新製品工業さん(フィーメリナ軟膏)が発売しており、肌に刺激を与える成分配合が少なく、炎症や菌を鎮める作用が高いため、お尻のかぶれや皮膚の薄い部分、粘膜部分などダメージに敏感な肌部分の使用にも向いております。
軟膏の使用は、あくまで応急処置です。用法・容量を守り、目安として約6日以上使用しても症状が改善されない場合は、早めに皮膚科の診察を受診して下さい。
4、お尻の赤みが長引いたら床ずれの前兆かもしれない
長時間座った後に、「お尻が真っ赤になり引かない」「赤黒くなっている」「皮膚が一部へこんでいる」などの症状がある場合は、初期の床ずれ(皮膚が腐り始めている)可能性があります。
座り仕事で床ずれになる可能性は極めて稀ですが、全くないわけではありません。
しかし、ただの炎症の可能性も否定できませんので、床ずれとただの炎症かを見分け方を身に着けておくと良いです。
【床ずれとただの炎症の見分け方】
赤みが続いている部分を押した時に「白くなる」場合はただの炎症です。先ほど紹介した4つの対策を怠ると黒ずみとなります。
押しても「赤いまま」であれば、軽度の床ずれの疑いがあります。
床ずれは、皮膚が「赤くなる⇒赤みが続く⇒赤黒くなる(水泡ができる)⇒肌がくぼむ⇒皮がめくれる(感覚がなくなる)⇒皮膚・脂肪が腐る⇒腫瘍ができる⇒骨が腐る」と段階を踏んで症状が悪化していきます。
外部参考ページ:床ずれ(褥瘡・じょくそう)の重症度評価 ※閲覧注意
初期症状(赤みが続く辺り)が出てから、約1~2時間で一気に症状が悪化するため早めの対処が大切です。
【軽度の床ずれの応急処置法】
軽度の床ずれであった場合は、「熱めの蒸れタオルでお尻を温め」その後「マッサージをする」の2つで応急処置することで、床ずれが重度になるのを防ぐことが可能です。
しかし、あくまで応急処置であり、一度床ずれになると再発しやすくなるため、放置せずに早めに「皮膚科」か「形成外科」へ行くことをおススメします。
5、まとめ
如何だったでしょうか。今回は座り仕事や受験勉強などで座りっぱなしが多い方のお尻のケア・対策法をご紹介しました。
長時間座ることがお尻に相当なダメージを与えてしまい、「黒ずみ」「かぶれ」「床ずれ」など様々な肌トラブルが起きやすくなります。
座りっぱなしが多くても、これらの肌トラブル知らずなお尻になるには、「イスにクッションを敷く」「座る姿勢を正す」「1~2時間おきに立ち上がる」「毎日2回保湿をする」の4つの対策・ケアが効果的です。
しかし、長時間座った後に「赤みが続く」「赤黒くなる」「皮膚がくぼむ」などの症状が出た場合は、皮膚が腐り始めている(床ずれの)可能性が高いためすぐに病院へ行くことをおススメします。
今回の記事で、座り仕事をしててもキレイな桃尻になれる方法を知ることができた!と思って頂けると幸いです。