監 修

上田 弥生医師

日本産婦人科学会 産婦人科専門医
美容皮膚科医
NARD JAPAN認定 アロマ・アドバイザー 上田弥生 医師

肌が弱いならコレ!ワセリンよりもムダ毛処理に適した方法

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ワセリンのイメージ画像

「ムダ毛処理でワセリンを使うと肌にいいの?」「ワセリンってどんな成分なの?」と疑問に思う方は多いかと思います。

ワセリンは肌の保護に役立つもので、副作用の報告もなく、安心して使用できる成分です。皮膚科では、敏感肌の方に毛剃りの前後で使用を勧めることもありますが、実は、ムダ毛処理においてはあまりお勧めできない点もあります。

ここでは、ワセリンの働き、ムダ毛処理におけるワセリンのメリット・デメリット、より肌負担を抑えたムダ毛処理法についてご紹介いたします。

1:ワセリンは肌の乾燥予防に使われる油分

ワセリンとは石油から作られる油脂の一種で、肌に皮脂のような保護膜を作るため、角質層の水分蒸発を防ぎ、外部の刺激から守る働きがあります。

石油が原料ということで、体に悪そうなイメージがありますが、刺激性や副作用もほとんどありません。成分の安定性が高く、安全性に優れている事から、乳児や幼児も使用できて、皮膚科で処方される軟膏の成分にも使われています。

もともと刺激の少ないワセリンですが、精製度が高いほど不純物は少なく、より低刺激となっています。純度が高い順に並べると以下のようになります。

1.サンホワイト
2.プロペト
3.白色ワセリン
4.黄色ワセリン

ムダ毛処理でワセリンを使用する場合は、なるべく肌トラブルを避けるため、純度の高い『サンホワイト』や『プロペト』がおすすめです。価格は¥1000前後で安価となっています。

ただし、ワセリン独特のベタつき感があるため、使い心地も重視する方には向いていません。

2:ムダ毛処理の前後にワセリンを使用するメリット・デメリット

皮膚科では、肌が弱い方の毛剃り方法として、ムダ毛処理の前後にワセリンを使用することを推奨することがあります。ムダ毛処理後は肌が乾燥しやすくなるので、保湿のサポートとしてワセリンを使用することは理にかなっています。ですが、ムダ毛処理の前にワセリンを使用することはお勧めできません。

以下にて詳細をご紹介します。

■ムダ毛処理前のワセリン使用がおすすめできない理由

毛剃りの時にワセリンを使用すると、油分が刃を滑りやすくし、カミソリ負けの予防に役立つと思われますが、実際はその逆です。

滑りは良くなるものの、ワセリンによってムダ毛が肌に張りつき、1回で剃れるはずの箇所を何度も剃らなければいけず、逆に肌負担が増えることにもなります。

ムダ毛処理時のワセリンは毛がベトつく

また、ワセリンに含まれる油脂は固形状のオイルとなっていて、水だけでは洗い流せません。その為、ワセリンがカミソリ等の刃に残り、1~2回の使用でカミソリ自体が使いにくくなる傾向にあります。

刃についたワセリンの除去には、オリーブオイルをつけた後に石鹸等で水洗いをする方法もありますが、毎回行うのは面倒だと感じる方も多いでしょう。

結果的に、肌トラブルにも繋がりやすくなるので、ムダ毛処理の前にワセリンを使用するのは控えた方が良いです。

■ムダ毛処理後のワセリン使用に向いている人

乾燥肌、ニキビができやすい、毛嚢炎(小さな赤いぶつぶつやニキビのような症状)などに悩まされる方は、ムダ毛処理後のワセリン使用に向いています。

ムダ毛処理後のワセリン使用が向いている人

ムダ毛処理後は、保湿の役割をする皮脂が洗い流され、肌のバリア機能が低下しています。そこにワセリンを塗ることで、バリア機能が正常な状態になることを助けます。

毛嚢炎は毛穴にブドウ球菌が感染するもので、ニキビは毛穴にアクネ菌が感染して発症する皮膚の病気の一つです。ワセリンを塗ることで毛穴にそれらの細菌が侵入しづらくなるため、毛嚢炎やニキビを予防する作用が期待できます。

これらの症状は、肌のバリア機能が正常に働くことで改善が見込めます。

ただし、ワセリンは皮膚に保護膜を作って外部刺激から守るものなので、清潔な状態に塗ることが大前提です。不衛生な肌に塗ると肌トラブルの原因になりますので気をつけましょう。

一方で、ワセリンは独特のベタつきや、テカって見えることもあります。塗った後にどうしても気になる方は、ごく少量に抑えたりして調整するとよいでしょう。

【ワセリンの使用上の注意点】

・ワセリンは低刺激で安全性の高い物質ですが、稀にアレルギー症状が出てしまう方もいらっしゃいます。ワセリンを塗って赤みやかゆみが生じた場合はすぐに使用を中止しましょう。

・ワセリン自体に保湿作用はありませんので、美肌効果を期待したい方は保湿剤の方がお勧めです。

【ワセリンの使用を避けた方がよい人】

・乾燥性脂性肌

皮膚が脂っぽいのにも関わらず乾燥してしまう乾燥性脂性肌の方は、症状が悪化する可能性があるのでおすすめできません。

・皮膚に異常がある

皮膚に炎症がある方、湿潤(水分が多く湿っている肌)、ただれがある方は、ワセリンの使用を避けましょう。過去に、皮膚に塗る薬でアレルギーを起こしたことがある方も注意が必要です。ご自身での判断が難しい場合は、使用前に皮膚科医へ相談するとよいでしょう。

ここまでで、ムダ毛処理におけるワセリンのメリット・デメリットをご紹介しましたが、性質上、以下の2つが不十分となります。

①肌に負担をかけずムダ毛処理を行う

②十分な保湿(保湿作用はないため)

次より、この2つを満たす方法をご紹介します。

 

3:ムダ毛処理の前後に適したシェービング剤と保湿剤

ムダ毛処理をする際にはシェービング剤、ムダ毛処理後には保湿剤を使用することで、保湿ケアと皮膚の保護、美肌効果までが期待できます。

シェービング剤には以下の3つの効果があります。

①カミソリの刃の滑りをよくしてムダ毛を剃りやすくする

②肌を防御してカミソリの刺激を最小に抑える

③保湿成分によりムダ毛処理で失われる皮脂を補う

シェービングに使用する保湿剤には、ムダ毛処理後に蒸発していく水分を保つ作用、皮膚の細胞を活性化させる効果などが期待できます。

具体的に、どのような製品を選べばよいかをご紹介します。

 

■シェービング剤は剃りやすさと保湿性で選ぶ

剃りやすさと保湿成分に注目されたシェービング剤がベストです。フォームやジェル、クリームといった種類がありますが、それらがムダ毛を柔らかくする事で効率的に剃ることができます。

肌質によって、どのシェービング剤が肌に馴染みやすいかは違いがありますが、毛が柔らかくなりやすくて保湿性のあるジェルから試すのがおすすめです。

シェービング剤自体は肌の保護膜となり、剃ったことによる刺激を弱めます。保湿成分は、ムダ毛処理をすることで失われやすい皮脂を補い、バリア機能の維持にも役立ちます。

この他、ムダ毛処理を行う前は、お風呂や温水シャワー、蒸しタオルなどで体を温め、毛穴を開いておくと早く効果的に剃れます。蒸しタオルの作り方については以下をご参考下さい。

>> わずか1分!簡単な蒸しタオルの作り方

 

■保湿剤は肌質に合わせて選ぶと効果的

潤い成分がたっぷり含まれた保湿剤でも、敏感肌の為に毎回ヒリヒリする場合は、効果的な保湿ケアが出来ているとは言えません。肌質に合う保湿剤を使うことは、綺麗な肌を維持していく上でとても大切なことです。

敏感肌の方は、添加物が抑えられていて、植物由来の成分が多いような低刺激性の保湿剤がお勧めです。

乾燥肌の方は、ニキビやシワなどの肌トラブルが起きやすいです。特にムダ毛処理後や入浴後は、皮脂ごと洗い流されることで乾燥が進行するので、肌の密着性が高くて水分の保持力がある『乳液』や『クリーム』がお勧めです。配合成分は、肌の潤いの役割をしているセラミドやヒアルロン酸が含まれたもの良いと言えます。これらの成分は、外からの成分が浸透しにくい脂性肌の方にも有効です。

■保湿後のワセリンは保湿効果が高まる

ワセリンには独特のべたつきやテカりがありますが、皮膚の水分を保持において優れているので、保湿を優先させたい場合は保湿ケアをした後にワセリンを塗るとより効果的です。

4:まとめ

ムダ毛処理でワセリンを使う場合のメリット・デメリットがご理解頂けたかと思います。

ワセリンは石油から合成される油脂の一種ですので、ムダ毛処理前に肌に塗ると刃がベタつく事から、日常的に毛剃りを行う方には強くおすすめできません。

より肌負担を少なく毛剃りを行うなら、シェービング剤の方がよく、ムダ毛処理後においては、肌の保護という意味ではワセリンも良いですが、肌質に合わせて保湿剤を使用した方が、肌の健康や美容に効果的と言えます。
この記事で「前よりもムダ毛が剃りやすくなって、肌もキメ細かくなった!」という事に繋がれば幸いです。

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