監 修

上田 弥生医師

日本産婦人科学会 産婦人科専門医
美容皮膚科医
NARD JAPAN認定 アロマ・アドバイザー 上田弥生 医師

毛深い子供の悩みは深刻。最悪の事態になる前に親ができる対策の全て

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毛深い子供を気遣う母親

「子供が毛深いことに悩んでるけどどうすればいいの?」「多少毛深くても問題はない?」と子供が毛深いことで、どのような対策を行えばよいのか悩んでいる親は多くいらっしゃると思います。

「男の子だから毛深くても…」「そのうち薄くなる!」と思いがちですが、毛は年を重ねるごとに濃くなり、男の子でも女の子でも毛の悩みは同等です。

子供にとって毛の悩みは、大人が思っている以上に深刻で、適切な処理を一緒に考え、悩みを解消していくことがとても大切です。

今回は、子供が毛深くなる要因から適切な処理方法、悩みが深刻化した場合の一例をご紹介しますので、ご参考にして頂ければと思います。

1、子どもが毛深い原因はほぼ遺伝

子どもが毛深くなってしまう原因は、ほぼ「遺伝」にあります。

両親からはもちろんのこと、祖父母が毛深い場合も遺伝する可能性があります。

また、体質的に男性ホルモンの分泌量が多くなると、毛は太く濃くなってしまうため毛深くなる原因となります。ほか、毛穴の数が多いことも挙げられます。

もちろん遺伝以外でも毛が濃くなる要因もあります。以下をご参考ください。

■多毛症や薬の副作用など病気の可能性もある

著しく毛深く見えてしまう場合は「多毛症」である可能性もあります。

多毛症とは、色素が薄く柔らかい毛(腕や足など)が、腋毛や陰毛のような固い毛に変化する病気のことを指します。

毛が多くても、毛質が柔らかいのであれば多毛症とは言いづらく、遺伝である可能性が高いです。

原因は、「男性ホルモンが過剰に分泌」されたり、男性ホルモンに対する反応が高まってしまう「ステロイド薬の服用」をしていたりということが挙げられます。

性質上、女性や子どもに見られる病気で、症状としては「生理周期が乱れる」、声変わりの時期でないにも関わらず「声が低くなる」といったことが見られます。

お子様に、このような症状が見られたら、一度病院で「血中の男性ホルモン濃度検査」を受け治療を行うと良いでしょう。

また、アトピーを治療する「ステロイド薬」や、臓器移植の拒絶反応を抑制する「シクロスポリン」、抗てんかん薬の「フェニイトン」のお薬は、副作用として多毛が見られることがあります。

しかし、これらの薬剤は必要に応じて処方されているため、薬の副作用とは言え、服用をやめればいいというものではありません。

多毛が気になるようならば医師に相談することが必要です。

■生活環境によって毛が濃くなる

生活習慣によっては毛が濃くなることもあります。最近、どうにも毛が濃くなったと思うことがあるならば、以下の生活習慣を改善してみましょう。

・ストレス
人間はストレスが溜まると、そのストレスに対抗するために男性ホルモンが増加します。男性ホルモンは毛を濃く太くする作用があるため、ストレスを溜めすぎると毛が濃くなってしまいます。適度にストレスを発散することが重要です。

・睡眠不足
特に女性の場合は妊娠するために生理があるため、女性ホルモンの分泌が重要になります。女性ホルモンは夜間の就寝中に活発に分泌されるため、睡眠不足が続くと男性ホルモンが優位になってしまって毛が濃くなってしまうことがあります。

・過度なダイエット
女性ホルモンを分泌するためにはある程度の脂質が必要です。ダイエットにより脂質の摂取量が極端に少なかったり、体脂肪が低かったりすると女性ホルモンの分泌量が低下します。その結果、男性ホルモンが優位になり毛が濃くなってしまうことがあります。

2、成長とともに自然と毛が薄くなることはない

「今は毛が濃くてもそのうち薄くなるだろう」と思うかもしれませんが、成長とともに自然と毛が薄くなることはまずありません。
※老化により毛が白く、細くなることはあります。

特に、子どもは第二次性徴が終わるまで徐々に毛が濃くなっていきます。

小学生高学年くらいから思春期の終わりの高校卒業くらいまでは、「脛毛」や「陰毛」「脇毛」「髭」などが著しく濃くなっていきます。

小学生のうちから毛が濃いことに悩んでいると、学年が進むごとにより悩みが深刻化してしまうこともあります。

3、毛の悩みに男の子も女の子も関係ない

毛の濃さについての悩みは、女の子のほうが深刻になってしまうと思い込みがちですが、男の子の場合も同様に深刻です。

女の子の場合は毛の濃さの悩みに親が気づいてあげやすく、対応できることが多いです。

しかし、男の子の場合は毛が濃くても普通であるという感覚があるため、なかなか悩みに気づいてあげることができません。

毛の濃さで同級生に茶化されることが、「強いストレス」になってしまうこともあるため、毛の悩みに男の子も女の子も関係ないと認識することが重要です。

4、親ができる毛深い子どもへの適切な対策と対応

毛深さは、子どもにとって深刻な悩みになります。親の対策次第で学校生活の楽しさが大きく変わってしまうこともあるため、適切な対応が必要です。

子どものコンプレックスが気にならなくなるような「言動」や「行動」を心がけましょう。

■毛深いことを気にしている子どもに言ってはいけない言葉

毛深いことを気にしていることを親に相談することは子どもにとってとても勇気のいることです。

その時に、対応を間違えてしまうと親子の信頼関係が崩れてしまうかもしれません。

以下のような言葉は、毛深いことに悩んでいる子どもに言うのはご法度です。

「毛深くない」「気にするな」
子どもは気にしているからこそ毛深いことの悩みを親に相談します。毛深くない、気にするなという言葉はなんの解決にもなっていません。

どの程度の毛深さであれ、本人は非常に気にしていることを理解したうえで言葉を返すことが重要です。

毛深さを笑い話にするような言葉「本当に毛深いね」
「生まれた時おサルさんみたいで」「本当に毛深いね」といった毛深いことを笑い話にするような言葉や肯定するような言葉は、子どものコンプレックスを強くしてしまいます。

特に「この子は本当に毛深くて」のような友達や友達の親がいるときに、つい言ってしまう言葉は本人をとても傷つけます。

たとえ幼いころの言葉でも本人は覚えているものです。安易に話していい言葉ではありません。

「ここまで毛が生えているなんて・・・」のような独り言
子どもが毛深いことに親が悩んでしまっているとしても、このような独り言は避けるべきです。

自分の体毛が「おかしい」「この部位に毛があることは異常なんだ…」と感じてしまい心を傷つけてしまいます。

毛深い子どもに対して最もよい反応
毛深い子どもに対して最も良い反応は、悩みを受け入れてあげることです。

人生経験のある親から見たら大した悩みではなくても、子どもにとっては死活問題です。

毛深い悩みを相談されたら理解を示したうえで、どのような対策が最適かを親子で一緒に考えていくことが必要です。

もし、親が子どもの頃に毛深いことに同様に悩んでいたならば、共感してあげることも子どもにとってよい影響を及ぼすでしょう。

■自宅でできる子どもにおすすめなムダ毛処理法

子どものムダ毛処理には、「抑毛ローション」「除毛クリーム」「電気シェーバー」の3つが最適です。

「カミソリ」や「ワックス」による処理法は、皮膚を傷つけてしまうリスクがあり、特に、子どものうちは皮膚のバリア機能も弱く、炎症や肌荒れが起きやすいためお勧めできません。

まず、子供のムダ毛処理は、肌への刺激が少ない方法を選ぶことが最重要です。それぞれの方法のメリット、デメリットには以下のようなものがあります。

・毛質の柔らかく肌の弱い子供におススメ「抑毛ローション」
抑毛ローションは、もともと毛が太くて濃いけれども、毛質が柔らかい子どもにおススメです。

抑毛ローションとは、「大豆イソフラボン」を含んだローションを塗ることで毛を「細く・薄く」するムダ毛処理法です。

大豆イソフラボンは体内で女性ホルモンのような働きをするため、太く濃い毛の改善に効果的です。

天然由来の成分であるため、肌に優しく保湿作用があることもうれしいポイントです。

しかし、即効性はなく、効果も劇的というわけではありませんのでご注意ください。

参考:肌までキレイに!?おススメの抑毛剤3つと注意点まとめ

・短時間で簡単にできる「除毛クリーム」は肌の強い子供におススメ
除毛クリームとは、タンパク質を分解する酵素が含まれたクリームです。毛はケラチンというタンパク質で出来ているため、ムダ毛を溶かして除毛する働きがあります。

物理的に溶かしてしまうため、即効性が高いことが特徴ですが、タンパク質を溶かすという性質上、肌への刺激は比較的高めです。

そのため、敏感肌や乾燥肌、アトピーのある子どもには適さないかもしれません。

肌の強い子供でも、使用前に「パッチテスト」をして、アレルギー反応が出ないか確かめることが重要です。

参考:素早くできるムダ毛処理!除毛クリームの選び方と正しい使用手順

・安全で仕上がりもキレイ!子供にも使える「電気シェーバー」
電気シェーバーは普通のカミソリとは違い、刃が皮膚にあたらないのでカミソリ負けが起こりづらく肌への安全性が高いです。

何歳からでも使用はできますが、皮膚が柔らかい3歳くらいまではなるべく避けるようにして下さい。

3~8歳くらいまでは、けがをしたり壊す可能性もあるので親が連れ添い、慣れてきたら1人でも使用させても良いかと思います。

参考:安全を最優先!ベストな子供のムダ毛処理法と効果的なケア

【補足】家庭用脱毛器で処理する場合の注意点
家庭用脱毛器で、毛を薄く細くする方法もありますが、劇的な効果はなく製品によっては「子供は使用不可」の場合もあります。

家庭用脱毛器は、黒いものに反応する特殊な「光」を毛根に当てダメージを与えることで「毛を薄くする・細くする」アイテムです。

継続的に行うことで徐々にムダ毛が目立たなくなっていきます。

しかし、その効果はごく僅かであり、目に見えて効果を実感できるのに2~3年以上かかります。(大人の場合)

また、家庭用脱毛器は高価であるため、小学生までは親とともに使用して、中学生以降に自分で使えるように指導しておく事が好ましいです。

■皮膚科や脱毛サロンで行う子ども脱毛で処理する方法

子供であっても、大人と同じように「美容皮膚科」や「脱毛サロン」で光やレーザーを使用した施術で脱毛することも可能です。

脱毛サロンでは、光を利用した脱毛で、美容皮膚科ではレーザーを利用した脱毛を行うことが多く、安全性が非常に高いため、基本的には「何歳でも」施術を受けることができます。

ただし、小学生や中学生など、まだ第二次性徴が始まったばかりの子どもに、光やレーザー脱毛を行っても「効果が薄いこと」があるため注意が必要です。

光もレーザーも毛根のメラニン色素(黒い色素)に熱を発生させることで脱毛をします。しかし、毛が生えそろっていないと反応が薄く、思った効果を得られない場合もあります。

また、脱毛できたと思っても性ホルモンの分泌が盛んになるにつれ、また毛が濃くなってしまうこともあり得ます。

できるだけ、美容皮膚科や脱毛サロンでの脱毛は、「高校生以上」くらいから行った方が効果が高いでしょう。

どうしても、小中学生のころから脱毛をした場合は、「キッズ脱毛コース」のある美容皮膚科や脱毛サロンを選ぶとよいでしょう。

キッズ脱毛コースがない美容皮膚科や脱毛サロンでは、断られる可能性もあるため事前に問い合わせることが重要です。

■毛が濃くなる生活習慣や食生活に気を付ける

ムダ毛を薄くするためには毛が濃くなる生活習慣や食生活に気を付けることが重要です。子どもが毛深さを気にしているようならば生活習慣の指導もしてあげましょう。

・高タンパク質、高脂質な食事を心掛ける
タンパク質や脂質は重要な栄養素ですが、摂取しすぎると男性ホルモンの分泌を促進させてしまいます。

特に子どものうちは魚や野菜、大豆加工食品よりも肉や乳製品を好む傾向にあるため親が注意して食生活を改善させることが重要です。

・ダイエットをさせない
子どものうちから体型を気にして過剰なダイエットや食事制限を行うと女性ホルモンの分泌量が低下してしまいます。

ムダ毛が濃くなってしまうほか、「生理周期の乱れ」なども起きてしまう可能性があるためダイエットはさせないようにしましょう。

もし、どうしてもダイエットをしたいということならば、親子で「ランニング」や「ウォーキング」「アウトドア」を行うようにした方が良いです。

・夜更かしは避けさせる
女性ホルモンは夜、寝ている間に分泌されます。そのため、夜更かしの習慣がついてしまうと、女性ホルモンが少なくなりムダ毛が濃くなってしまうこともあります。

特に小中学生のうちは「22時」までに、高校生は「0時」までに就寝するように指導しましょう。

・ストレスを溜めさせない
ストレスが溜まると男性ホルモンが分泌され、ムダ毛が濃くなってしまうことがあります。ストレスを溜めさせないようにすることが重要です。

週末は積極的に遊びにつれていったり、熱中できる部活動やクラブ活動に参加させたりすることが大切です。

・大豆や大豆加工食品を食べさせる
大豆や大豆加工食品にはイソフラボンが含まれています。

体内で女性ホルモンと似た働きをするため、ムダ毛を濃くする効果が期待できます。1日のうち最低一品は大豆加工食品を食べさせるようにしましょう。

5、いじめ以外の最悪の事態を考え早めの対策を!

毛深いことは、大人が思うよりも深刻な悩みです。

思春期のうちは、他人の体がどうなっているのか気になってしまう時期なので、自分よりも毛が濃いというだけでからかいの要因となります。

からかわれているだけならばまだいいですが、最悪の場合いじめにまで発展することもあります。

毛深いことが原因でいじめられてしまうと、中学高校大学とのちの学校生活で人間関係に悩んでしまい「対人恐怖症」になってしまったり、「恋愛に消極的」になってしまうことも十分考えられます。

いじめにより「引きこもり」や「不登校」などにまで発展すると、学業や人間関係に響く事態にもなりかねません。

また、幼いころに毛が深いことで悩んでしまい、トラウマが残ってしまうと大人になってからも過剰に自分の毛深さを気にしてしまいます。

たとえ、子供が将来、永久脱毛をしたとしても、いつまでもムダ毛が生えてるという疑念が消えず、過剰に処理をしてしまい、皮膚の健康を損ねてしまうこともあります。

その他、親に対して子どもが恨みの感情を持ってしまうこともあります。毛の濃さはほぼ遺伝が原因のため、親が毛深いため自分も毛深いという意識が消えないためです。

幼いころから悩んでいるのにまじめに取り合ってくれず、適切な対策を一緒にしてくれなかったことも恨みの感情の一因となります。

「たかが毛の悩み」と親が思わず、子どもと一緒に早めの対策をすることが重要です。

まとめ

多毛症などの病気や薬の副作用などもありますが、子供が毛深くなる要因は、「ほぼ遺伝」と「生活環境」と言われています。

成長するにすれ毛が抜けるだろうと思うかもしれませんが、逆に毛は濃くなってしまいます。また、男の子も女の子も毛の悩みは同じです。

毛なんて些細な悩みと思うかもしれませんが、「対人恐怖症」や「親を恨むことがある」ほど深刻な悩みです。

放っておかず、しっかりと悩みに耳を傾け、適切な処理をすることが大切です。

今回の記事で、毛深い子供の正しい対応や適切な処理方法が分かり、子供と共に悩みを解消できれば幸いです。

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