監 修

上田 弥生医師

日本産婦人科学会 産婦人科専門医
美容皮膚科医
NARD JAPAN認定 アロマ・アドバイザー 上田弥生 医師

使用前は慎重に!美白作用の高いハイドロキノンクリームの基礎知識まとめ

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ハイドロキノンの使い方や注意点を解説する医師

「美白効果が高いハイドロキノンで白い肌を手に入れたい!」「普段の化粧水に使えば美白になるかも!?」とハイドロキノンの使用を検討してる方は多いのでないでしょうか。

肌の漂白剤と称されるハイドロキノンですが、実はかなり肌刺激が強く、シミやそばかすがない肌に使用すると「白斑」など肌トラブルのリスクが非常に高い成分です。

そのため、ハイドロキノンを使用する際は個人輸入などで購入せずに、できるだけ医師の指導のもと使用することをおすすめします。濃度の低い市販品を使用する場合でも、使用方法や注意点を守り使用するようにしましょう。

今回は、ハイドロキノンの基礎知識から、市販品が向いている人向かない人、使用上の注意点をご紹介します。

1.ハイドロキノンとは美白効果が最も高い天然成分

ハイドロキノンとは、イチゴやブルーベリー・コーヒーなどに含まれている天然の成分で、最も美白効果が強い成分のことを指します。

酸化・劣化したものをもとに戻す力が強く、以前は写真の現像にも使われていました。その後、肌を白くする効果があることが判明し、美白効果のあるスキンケア製品として利用されています。

ハイドロキノンには、メラニン色素を作る役割がある「チロシナーゼ」という酸化酵素の働きを邪魔する作用が非常に強いです。

ハイドロキノンとは何かを説明する医師

チロシナーゼとは、「シミ」「黒ずみ」「肝斑」「ニキビ跡」「そばかす」などの色素沈着の原因となる物質です。

メラニン色素を作る物質の邪魔をすることで、これ以上シミや黒ずみなどの色素沈着が悪化しないように導きます。

また、メラニン色素を作れ!と指令を出している「メラノサイト」という細胞の働きを弱める作用もあり、メラニン色素が少なくなっていき美白効果を示します。

シミや黒ずみを作り出す「チロシナーゼ」と、メラニン色素を作りなさい!と命令を出している「メラノサイト」の両方の働きを抑制することで、肌を本来の色に戻していきます。

その美白効果は、レーザーに匹敵するほどと言われており、別名「肌の漂白剤」と呼ばれています。

豆知識!
・『ハイドロキノン誘導体配合!』と名がついている市販品は、「αーアルブチン」という美白成分で、ハイドロキノンとは似て非なるものです。

・αーアルブチンとは、ハイドロキノンにブドウ糖を加えた成分で、ハイドロキノンに比べ肌刺激が少ないですが、美白効果は「60~100分の1」ほどですのでご注意ください。

・ハイドロキノンは、もともと医師の処方が必要なほど作用が強い成分でしたが、2001年に薬事法(現、薬機法)が改正されたとき規制が緩和され、今では市販の美容クリームなどに配合されています。

2.ハイドロキノンはシミや肝斑治療としての使用が一般的

ハイドロキノンはシミや肝斑治療で使われるのは一般的

ハイドロキノンは、「シミ」「そばかす」「肝斑」「ニキビ跡」「老人性色素班」など、集中的に色素沈着を起こしている部位の症状改善に使用されるのが一般的です。

脇・デリケートゾーンの黒ずみや火傷跡などの広範囲に及ぶ色素沈着は、塗る量が多く、均等に作用しない(一部分だけ白抜きの)可能性があるため、推奨されていません。

また、ハイドロキノンは強制的にメラニンの色素の抑制をするため、非常に肌刺激が強い成分です。

そのため、シミや肝斑であっても、皮膚科医師の指導の下慎重に治療を行うが一般的です。

この時、肌の生まれ変わり(ターンオーバー)を促進させる「トレチノイン」という成分の同時使用が望まれます。

ハイドロキノンとトレチノインの美白効果のメカニズム

トレチノイン(レチノール(ビタミンA)誘導体)とは、皮膚や粘膜の健康を維持するビタミンAを、効果的に肌に作用するように加工した成分です。

ビタミンAには、潤いを保つ「コラーゲン」や「ヒアルロン酸」「エラスチン」などの合成を手助けする働きがあります。

トレチノインは、肌内部のコラーゲンやヒアルロン酸を増やすことで、肌のターンオーバーを促進させ、メラニン色素をどんどん排出していく役割がある成分です。

ハイドロキノンは、メラニン色素の生成を抑制しますが、メラニン色素を排出する働きがあないため、トレチノインと併用することで、お互いの効果を補い美白作用を最大限に発揮させることができます。

そのため、シミや肝斑・そばかす・ニキビ跡を安全に早く治したいのであれば、「皮膚科医師の指導のもと」「トレチノイン・ハイドロキノンの同時使用」が望ましいです。

注意点!

・肌の健康を回復する目的でなく美容目的と見なされるため、ハイドロキノン・トレチノイン治療は、基本的に保険適用外となることが多いです。

・肝斑は、身体のホルモンバランスの乱れによってできると言われているので、保険が適用になることがあります。

・ハイドロキノン・トレチノインは、非常に肌刺激の強い成分ですので、治療中は「赤み」や「痛み」「かゆみ」などが少なからずありますが、効果が出ている良いサインです。ご安心ください。

・長期間使用し続けることで人によっては肌トラブルが起きることもあるため、目立つシミやニキビ跡を治療したいときにのみ使うとよいです。

■ハイドロキノンをデリケートゾーンの黒ずみに使うなら皮膚科へ

一般的に、デリケートゾーン・脇・乳首の黒ずみにハイドロキノンの使用は推奨はされていませんが、皮膚科医師の指導のもとであれば使用は可能な場合があります。

デリケートゾーンや脇・乳首は身体全体の中で、皮膚が薄く、刺激に弱い傾向にあるため、その他の肌よりも過剰な刺激を受けてしまう傾向にあります。

赤みやかゆみだけではなく、強い痛みが生じてしまう可能性もあるためデリケートゾーンなどに使用する際は、なるべくクリニックで処方して貰い医師の指導を受けたほうがよいでしょう。

しかし、デリケートゾーン・脇・乳首が黒っぽくなるのはごく自然なことのため、保険は適用されません。

参考:取扱注意!乳首の色を薄くするハイドロキノンの効果的な使い方と費用

3.市販品のハイドロキノンは肌の強い人に向いている

市販のハイドロキノン配合の化粧品を使う時の注意点個人輸入を含む市販品のハイドロキノン配合のクリームや化粧品は、肌の強い人に向いています。

ハイドロキノンは、どれだけ慎重に使用しても「赤み」や「ピリピリ感」が少なからずあります。

乾燥肌・敏感肌などの肌の弱い人にはどうしても適しませんので、クリニックで処方して貰い医師の指導を受けたほうが安心です。

市販のハイドロキノンは、クリニックで処方されるものに比べ低濃度ですが、それでも刺激が強い傾向にあります。

市販品は4%未満、クリニックは4%以上のハイドロキノンの配合が可能ですが、肌刺激なく使用するのであれば「2%未満」が理想的です。

また、個人輸入で、クリニックと同濃度のものを購入することもできますが、「発がん性」や「白斑」のリスクが高くなりますので、安易に個人で購入し使用するは避けたほうが良いです。

そのため、市販の化粧品に配合されているハイドロキノンは、肌刺激やリスクを考え「2%未満」のものを選び「肌の強い人のみ」に向いています。
※あくまで自己責任で使用してください。

しかし、肌の強い人でも、市販のハイドロキノンを使用する際はなるべく慎重に使うことが重要です。

使用する時は、次の項目で解説する正しい使い方を必ず守りましょう。

4.正しく使えば「発がん性」や「白斑」のリスクは少ない

ハイドロキノンは発がん性や白斑(一部分だけ白抜きの肌)のリスクがよく指摘される成分です。

しかし、正しく使えばそのリスクは非常に少なく、シミや肝斑の改善に役立ちます。

ハイドロキノンを使用する際は以下の5つのポイントに気を付けましょう。

効果的な使い方についてはこちら『ハイドロキノンとトレチノインの適切な使い方』をご覧ください。
※ 乳首に使用した場合ではありますが、やり方は全く同じです。

①パッチテストを行う
ハイドロキノンを使用する前はパッチテストを
ハイドロキノンは肌への刺激が強いため、パッチテストの実施が必須になります。

ばんそうこうなどにハイドロキノンが含有された化粧品を塗り、肌に貼って24時間様子を見ましょう。

その際に「赤み」や「かゆみ」が出なければ使用しても問題ありません。もし肌に異常が出た場合は使用を避けるようにしましょう。

②シミや肝斑がある部分にだけ塗る
ハイドロキノンを使用する時はワセリンを塗る
ハイドロキノンは作用が強いため、シミなどがない健康的な肌に塗ると白斑ができる可能性があります。

そのため使用する際は、他の部分にクリームが付かないように、ワセリンで先に肌を保護をし、シミや肝斑がある部分にのみ塗るようにしましょう。

また、ハイドロキノンは少量で効果を表すほど強力な美白効果を持ちますので、白斑や発がん性の危険性を考え、一度にたくさん塗り込むのは止めましょう。

③紫外線対策を行う
ハイドロキノンを使用する時はCVケアは必須
ハイドロキノンはメラニン色素が作られるのを邪魔しています。

メラニン色素はもともと、紫外線から肌を守るために作られていますので、ハイドロキノン使用中は、一時的に紫外線による害を受けやすくなります。

ハイドロキノンを使用している期間はしっかりと「日焼け止め」や「日傘」を使い紫外線対策を行ってください。

また、「紫外線を通しやすい白い服」や「露出の高い服」は避けるようにしましょう。

④保管に注意する
ハイドロキノンの保管方法
ハイドロキノンは、熱や光に弱く、非常に酸化しやすい成分です。

酸化したハイドロキノンを使用すると思わぬ肌トラブルが起きる可能性があるため、冷蔵庫などの冷暗所で保管するようにしましょう。

また、使用期限は「開封後1カ月」と言われていますので、それまでに使い切るようにし、もし余ってしまったも、もったいないと思わず捨ててしまいましょう。

⑤長期間の使用は避ける
ハイドロキノンの長期使用は避ける
ハイドロキノンは、刺激が強いため長期間の使用は適しません。

シミが消えたり医師による指導の期間が終了したりしたら使用をやめましょう。

■ハイドロキノン使用中に強い赤みや痛みが出た時の対処法

ハイドロキノン使用中に、「強い赤み」や「痛み」が出た時はすぐに使用を中止しましょう。ハイドロキノンを洗い流して、化粧水や保湿クリームなどでしっかりと保湿します。

多少の「赤み」や「痛み」であれば、効果ができるサインになるのですが、寝ることもままならないほどの痛み・赤みであれば、その後のハイドロキノンの使用は避けたほうがよいです。

通常ならば数日で赤みや痛みは治まりますが、長く続くようならば皮膚科で診察を受けることをお勧めします。

5.まとめ

肌を効果的に白くする成分として有名な「ハイドロキノン」ですが、ベテランの医師であっても扱いには細心の注意が必要な成分です。

美白効果は非常に高いですが、低濃度であっても肌刺激がとても強いです。安易に、美白ケアとして使用できるものではありません。

できるだけ医師の指導のもと使用するのが良いですが、市販品で使いたい場合は「濃度2%未満」のもので「肌が強い人」のみ購入を検討しましょう。

また、使用する時は「パッチテストを行う」「シミがあるところだけ使う」「UVケアをする」「冷蔵庫で保管し1か月で使い切る」「長期使用を避ける」の5つのポイントを守るようにしましょう。

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